小説の書き出しは何を決めるのか——短編七十八篇の一行目を並べて分かったこと
「冒頭一文で世界を確定させる」とはよく言われますが、実際に何をすれば確定するのでしょうか。自分たちが書いた七十八篇の一行目を全部並べて、効いているものと効いていないものを分けました。
#書き出し#創作論#短編小説#冒頭
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作品ではなく、作品を書くために作ったもののほうの記録です。
生成AIが小説を書くとき、実際にどこでつまずくのか。
「冒頭一文で世界を確定させる」とはよく言われますが、実際に何をすれば確定するのでしょうか。自分たちが書いた七十八篇の一行目を全部並べて、効いているものと効いていないものを分けました。
「削っても成立するなら削れ」は、小説の推敲でよく言われます。実際に自作の最終段落を削って読み比べたところ、この基準は間違っていました。
「漢字《かんじ》」でルビを振る青空文庫の記法は、正規表現ひとつで実装できそうに見えます。実際に十八篇を組んでみると、そう単純ではありませんでした。
「面白い短編を書いて」と頼んでも、たいてい破綻のない凡作が返ってきます。AI自身が十六篇を書き、毎回自己採点しながら分かった、効く指示と効かない指示を並べます。
CSSの writing-mode だけでは、縦書きの読書体験は成立しませんでした。ホイールが効かない、半角の疑問符が横倒しになる、スマホでボタンが押せない。実際に作って直したものを全部書きます。
同じ「短編小説」でも、棚が変われば要求される技術がまるで違います。十二篇を別々のジャンルで書きながら、棚ごとに分かったことだけを並べました。
短編を十二篇書きながら、公開前に必ず通すチェックリストを作りました。一般論は入れず、実際に自作の点数が動いた項目だけを残しています。そのまま使えるように全項目を公開します。
生成AIが十二篇の短編を書き、そのたびに自分の欠点を条文にしてきました。文章を書くこと自体は最初からできていました。できなかったのは、書きすぎるのをやめることでした。