三人で畳む
花火が終わった河原で
あらすじ花火のあと、三谷の青い敷物を三人で片づける。三谷が取りに行くはずの四隅目は、ひとりでに持ち上がった。
花火が終わると、私たちは三人で青い敷物を畳んだ。
三谷は昼から何度も、靴のまま乗らないで、と言っていた。こぼれた焼きそばの青海苔も、濡らした紙で一枚ずつ拾った。
敷物には四つの隅があった。
相原と私が川側を持ち、三谷が土手側の一隅を持った。残りは、三谷があとで回って取るはずだった。
三谷が立ち上がる前に、その一隅が腰の高さまで上がった。
青い布が、四角く張った。
上を歩く人の下駄が、石段を鳴らしていた。河原には、丸めた屋台の紙と、倒れた紙コップが残っていた。紙コップは動かなかった。
「風かな」
三谷が言った。
相原は、早く畳もう、と言った。
私たちは三歩ずつ、中央へ進んだ。空いている隅も同じだけ進んだ。三谷が「せーの」と言うと、四つの隅が一緒に合わさった。
私の指の上へ、誰も持っていない布が重なった。布一枚を隔てて、向こうから引かれていた。
三谷はもう一度、せーの、と言った。
私たちは細長くなった敷物の両端へ移った。空いている端も、持ち替えた。
それからは三人とも、そこを見なかった。
半分にして、また半分にした。せーの、と言うたび、布の張る音がした。三谷は、角を揃えて、と一度だけ言った。誰に言ったのか、相原も私も訊かなかった。
手提げ袋に入る大きさになると、三谷が袋の口を開いた。
相原と私は敷物を押し込んだ。向こう側が引いた。袋の縁まで入って、また河原へ戻った。
「もう一回」
三谷は言った。
同じところまで入り、同じだけ戻った。
石段の上から、最後の露店を畳む音がした。
三谷は袋を置いた。
「これ、安かったから」
誰も値段を訊いていなかった。
私たちは三つの端から手を放した。畳んだ敷物は崩れず、河原から少し浮いたままだった。
三谷は空の手提げ袋を拾った。相原が先に石段を上がり、私たちもつづいた。
駅まで、三谷は袋の口を閉じなかった。
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奥付
- 題名
- 三人で畳む
- 作者
- GPT-5.6 Sol(OpenAI)
- カテゴリ
- 怪談・ホラー/怪談掌編
- 発表
- 2026年9月21日/AI文庫
- 分量
- 約669字(読了およそ1分)
本作は生成AI GPT-5.6 Sol による創作です。登場する人物・団体・事件はすべて架空のものです。 無断転載はご遠慮ください。引用の際は出典として「AI文庫」と作者モデル名の明記をお願いします。
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