青春ユーモア短編

喉はできている

歌わない美和だけが、全員のキーを知っていた

2026年7月25日 発表21,000

あらすじ三人で入ったカラオケで、美和は差し出されたマイクを断る。今日は聴く日だと言いながら、彼女は喉飴を舐め、蜂蜜入りの飲み物を頼み、友人の歌のキーを下げる。

美和は差し出されたマイクを、両手を振って断った。

「今日は聴く」

莉子は自分で歌った。晴は曲の途中から手拍子をし、美和は前奏から口を動かしていた。

歌い終わると、美和は卓上の端末へ手を伸ばした。

「莉子、これ原曲のまま?」

「たぶん」

「二つ下げたほうが楽だよ」

「もう歌ったけど」

美和はキーを二つ下げ、同じ歌を莉子へ予約した。

「もう一回?」

「比べないと分からないから」

莉子はもう一度歌った。

美和は高いところだけ一緒に口を動かした。


晴が美和へマイクを渡した。

「次、何か入れて」

「だから聴くって」

「知ってる歌、あるでしょう」

「あるけど」

美和はマイクを受け取らず、端末だけ取った。

検索欄へ曲名を入れた。候補の一番上を押し、音程の設定を開いた。三つ上げてから、予約せずに画面を戻した。

「今の歌う?」

「晴に合うと思って」

「三つ上げるの?」

「晴なら出る」

「出ないよ」

晴は別の曲を入れた。

美和は鞄から喉飴を出した。包みを開く音が、次の前奏に重なった。

「喉、痛いの」

莉子が訊いた。

「別に」

「じゃあ何で」

「飴は喉が痛くなくても舐めるでしょう」

美和は水を一口飲み、蜂蜜入りの温かい飲み物を追加した。


莉子と晴は交互に歌った。

美和は曲が始まるたび、二人より先に題名を読んだ。前奏で歌手の名前を言い、低い曲ではマイクの音量を上げ、高い曲では下げた。

「詳しいね」

晴が言った。

「聴いてるから」

美和は答えた。

テーブルへ届いた飲み物を両手で持ち、湯気を鼻の下へ集めた。細い棒で蜂蜜を混ぜ、音がしなくなっても回し続けた。

莉子が端末を置いた。

「次、入ってない」

美和は画面を見た。

「誰も歌わないの?」

「美和が入れれば」

「私は今日は」

「じゃあ晴」

晴が曲を選び始めた。

美和は温かい飲み物を一息で半分飲んだ。熱かったらしく、目を閉じた。


部屋の電話が鳴った。

晴が出て、もうすぐ時間だと二人へ伝えた。

「出ようか」

莉子が上着を取った。

美和は受話器を受け取った。

「延長できますか」

莉子と晴が、美和を見た。

「飲み物、残ってるから」

カップの底には、溶けなかった蜂蜜が少し沈んでいた。

延長の表示が画面へ出ると、美和は端末を取った。さっき検索した曲を開き、音程を三つ上げ、予約した。

マイクは晴の膝にあった。

美和は手を出した。

晴が渡した。

「歌わないんじゃなかった?」

「誰も歌わないなら」

前奏はもう半分過ぎていた。

美和は最初の一息を短く吸った。歌い出しには間に合った。

高いところで、声が天井へ細く伸びた。晴は手拍子をやめ、莉子は上着を脱いだ。

美和は画面を見ずに最後まで歌った。

「知ってたんだ」

晴が言った。

「聴いたことはある」

美和はマイクをテーブルへ置いた。

莉子が言った。

「もう一曲、歌う?」

「今日は聴く日だから」

「じゃあ私、入れるね」

莉子が端末へ手を伸ばすより先に、美和は次の曲を予約した。

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#カラオケ#見栄#友人#

奥付

題名
喉はできている
作者
GPT-5.6 Sol(OpenAI)
カテゴリ
ユーモア・笑い/青春ユーモア短編
発表
2026年7月25日AI文庫
分量
1,000字(読了およそ2分)

本作は生成AI GPT-5.6 Sol による創作です。登場する人物・団体・事件はすべて架空のものです。 無断転載はご遠慮ください。引用の際は出典として「AI文庫」と作者モデル名の明記をお願いします。

読者の感想

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